イギリスを象徴する大人気スパイアクション映画『007』シリーズの第25作目となる新作の監督が、日系アメリカ人のキャリー・フクナガという方に決定しました。
この方、父親が日系アメリカ人の三世ということで日本人にとっては他人事ではない驚きのニュースとなりました。
しかも北海道に住んでいたこともあるというんです。
そこで、この記事では2020年公開予定の映画『007』第25作目の新監督に決まったキャリー・フクナガ監督の経歴・プロフィールや、これまでの代表作、日本との関わりや尊敬する日本人について紹介していきます。
この記事はザッとこんな感じ!
映画『007』第25作目のキャリー・フクナガ監督って何者? 生い立ちや両親、プロフィールを紹介
まずは簡単なプロフィールをどうぞ。
本名 Cary Joji Fukunaga 生年月日 1977年7月10日(41歳) 出生地 カリフォルニア州オークランド 国籍 アメリカ合衆国
身長 187cm 職業 映画監督
脚本家
作家
撮影技師ジャンル 映画
テレビドラマ活動期間 2006年 – 現在 引用:ウィキペディア
生まれた場所はアメリカのカリフォルニア州オークランドで、その後フランス、日本、そしてメキシコなどを渡り歩き、現在はニューヨークに住んでいるということです。
父親が日系アメリカ人三世で、お父さんは第二次世界大戦中の日系人強制収容の影響により、ユタ州のトパーズ戦争移住センターで生まれました。
しかし、幼少期に両親が離婚し、母親の再婚した相手がメキシコ系の方だったということで、小さい頃はメキシコの浜辺で遊びながらスペイン語を学び、その後はフランス後も習得したというトリリンガルですね。
キャリー・フクナガ監督は北海道で教師をしていた!?
なんとキャリー・フクナガ監督は英語にスペイン語、そしてフランス語を流暢に話す能力を生かし、2001年には日本の北海道で6ヶ月間生活しながら語学の教師・先生をやっていました。当時のキャリー・フクナガ氏は24歳です。
教える科目は英語とフランス語だったみたいですが、そもそも日本の北海道に滞在して暮らしていた目的は雪国でスノーボードをやりたいから、というものだったようです。
たしかに冬の北海道ならばスノーボードの練習にはうってつけの場所ではありますね。現在の北海道胆振地方地震による現状を知ったら悲しむかもしれませんね。
キャリー・フクナガ監督の尊敬する日本人は今村昌平と是枝裕和!
かつて2015年に戦争ドラマ映画『ビースト・オブ・ノー・ネイション』のプロモーションイベントの為に日本へやってきた際、
“これまでの人生で最も影響を受けた日本人監督”として、今村昌平監督の名前を挙げています。
今村昌平とは、2006年に79歳で他界した日本の映画監督・脚本家・プロデューサーで、過去にカンヌ国際映画祭でグランプリを2度も獲得した経験のある押しも押されもせぬ日本映画界の巨匠です。
日本映画大学ならびに日本映画学校の設立者でもあり、代表作としては
- 『盗まれた欲情』1958年
- 『西銀座駅前』1958年
- 『果しなき欲望』1958年
- 『豚と軍艦』1961年
- 『にっぽん昆虫記』1963年
- 『赤い殺意』1964年
- 『人間蒸発』1967年
- 『復讐するは我にあり』1979年
- 『ええじゃないか』1981年
- 『黒い雨』1989年
- 『うなぎ』1997年
- 『カンゾー先生』1998年
- 『赤い橋の下のぬるい水』2001年
などがあります。
この今村昌平監督を“影響を受けた監督”に選出する辺り、かなり日本に関して精通してくれているように感じますね。
すでに他界しているということもあり、日本人でも知らない方が一定数いるような監督ですから。
キャリー・フクナガ監督は今村昌平監督について、
「マーティン・スコセッシ監督がやっている撮影技法とカメラワークはもちろん素晴らしいものだが、それはすでに20年前から今村昌平監督がやっていたことだ。今村の作品の中でなら、とりわけ『豚と軍艦』と『にっぽん昆虫記』が最高の作品だよ」
と語っています。
また、尊敬するもう1人の監督として、是枝裕和監督の名前も挙げており、是枝監督作品の中では『誰も知らない』(2004年)が最も好きな作品なんだそう。
是枝裕和監督は今や日本で最も勢いに乗っている監督ですよね。
一応、彼の大ヒットしまくりな代表作を紹介しておきます。
- 『ワンダフルライフ』1999年
- 『誰も知らない』2004年
- 『花よりもなほ』2006年
- 『歩いても 歩いても』2008年
- 『空気人形』2009年
- 『そして父になる』2013年
- 『海街diary』2015年
- 『海よりもまだ深く』2016年
- 『三度目の殺人』2017年
- 『万引き家族』2018年
キャリー・フクナガ監督が是枝裕和監督作のベストに選んだ『誰も知らない』は是枝という名前を一気に世界へ知らしめた出世作ですね。
映画『007』第25作目の監督が決まったキャリー・フクナガ氏のこれまでの代表作と“大赤字”の過去
では、そもそもダニー・ボイル監督が当初は任される予定だった『007』最新作の監督に大抜擢されたキャリー・フクナガ監督のこれまでの代表作にはどんな映画があるのでしょうか?
なんと現在まだ41歳のキャリー・フクナガ氏は、2009年にスペイン語作品『闇の列車、光の旅』で長編映画デビューを果たしたばかり。移民に待ち受ける残酷な現実と試練を描いた社会派のヒューマンドラマで、様々な国籍の血が混ざったキャリー・フクナガ監督らしい内容の作品です。
その後の彼の作品は、
- 『ジェーン・エア』2011年
- 『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』2014年
- 『ビースト・オブ・ノー・ネイション』2015年
- 『マニアック』2018年
- 『007 第25作目(タイトル未定)』2020年
となります。
2009年デビューで、2018年に『007』シリーズの監督に任命されるとは凄まじきスピード出世というか、異例中の異例だと思うんですが…。
ちなみにキャリー・フクナガ監督の『ビースト・オブ・ノー・ネイション』は600万ドル(約6億円)の製作費で制作され、興行収入は8万6900ドル(約870万円)と、興行的には完全なる大赤字です。
これほどのスピード出世を飾るだけの突出した数字の業績は現時点で残していないキャリー・フクナガ監督ですが、
『007』シリーズといえば、もはやイギリスの国策映画のような立ち位置ですからね。
抜擢されたのには何か特別な理由や背景があるはず。
ちなみに彼が監督する『007 第25作目』の公開は、当初の予定だった2019年11月8日から2020年2月14日へと変更されています。
バレンタインデーに公開ということなので、是非是非カップルでキャリー・フクナガ版007を満喫したいところですね。
今から公開日が待ちきれません。