お笑い芸能事務所の吉本興業が、自社の芸人養成所「NSC(吉本総合芸能学院)」の夏合宿参加者に対し、
「死亡しても吉本は責任を負わない」との旨が記載された誓約書にサインさせていたことが判明し、大きな物議を醸しています。
現在、雨上がり決死隊の宮迫博之やロンドンブーツ1号2号の田村亮をはじめとした闇営業騒動や、反社会的勢力への関与などが問題となっている吉本興業ですが、
この記事では、「死亡しても吉本は責任を負わない」という死亡免責の誓約書の他に、吉本興業の芸人へのずさんな扱いや奴隷契約を物語る、NSC(吉本総合芸能学院)における謎のルール、鉄の掟、条項などを紹介していきます。
この記事はザッとこんな感じ!
吉本興業NSCが所属する新人芸人に「死亡免責」条項を突き付けていた

吉本興業の岡本昭彦社長
まず、今回発覚した吉本興業のNSC(吉本総合芸能学院)による合宿参加者、すなわちデビュー前の所属芸人に対する“死亡免責条項”を報じたネットニュースを引用します。
吉本興業が同社の芸人養成所「NSC」の合宿の参加希望者に、「死亡しても吉本は責任を負わない」旨の一文が入った誓約書にサインさせていたことが判明した。
合宿は毎年夏に行われる「NSCお笑い夏合宿」。参加費用は4万500円。誓約書の「規約及び注意事項」の欄に、「合宿中の負傷、これに基づいた後遺症、あるいは死亡した場合、その原因を問わず吉本興業に対する責任の一切は免除されるものとする」という免責事項が書かれていた。
報道によれば、吉本興業は、2013年に専門家から同表記が不適切であると指摘を受け、14~16年は誓約書から文言を削除していたが、手違いで17年から従来の表記に戻ったという。
日刊ゲンダイより一部抜粋
どうやらこのNSCによる「死亡しても吉本は責任を負わない」という死亡免責事項は、2013年に社内の弁護士より不適切であるとの指摘を受け、
2014年から2016年までは誓約書から削除していたようですね。手違いでまた復活させてしまったとのこと…。
社内の連絡不足、もしくは連携に問題があったとはいえ、普通の会社ではたとえ連携に不備があっても、このような死亡免責事項を表記するなどあり得ない話でしょう。
それほどに、現在の吉本興業という会社の異質さが際立ってしまいますが、どうやら彼らは将来のスターを発掘するための芸人養成所であるNSC(吉本総合芸能学院)において、様々な謎の掟を設けていたんです。
吉本興業がNSCで芸人の生徒に課す“謎すぎるパワハラルール”4選
実社会ではあまり課されることのない不可解な謎ルールが吉本のNSC(吉本総合芸能学院)には存在します。
これは、かつて実際にNSCに在籍していた人間、つまり体験者による情報を基にしており、全て事実です。
吉本興業NSCのパワハラ条項①:NSC近辺の飲食店等の利用禁止
現在、吉本興業はメインの大阪と東京の神保町を筆頭に、広島や沖縄、名古屋などにNSCの養成所を進出させてきましたが、
神保町の東京吉本において、このパワハラまがいの謎ルールが施行されています。
具体的には、神保町ならびに御茶ノ水付近、つまり神保町に居を構えるNSC養成所の周辺にあるレストランやカフェ、コンビニエンスストア、ファストフードチェーン店などの利用は全面禁止。
もしもNSC養成所に通う生徒、つまりデビュー前の吉本興業の芸人が神保町の飲食店やファミレスなどに出入りしていることが発覚した場合は、即刻でクビとなり、NSCからは退学となってしまいます。
なぜNSC生徒は飲食店利用禁止?
どうやら過去に吉本興業のNSC養成所に通う生徒が、神保町付近のコンビニで騒音の迷惑をかけ、吉本興業に対してクレームが届いたようです。
もちろん騒音は良くないことではありますが、それによって連帯責任で他の養成所生徒も利用禁止にするというのはなんとも子供じみた対処法ですね。
では、神保町や御茶ノ水以外のコンビニでは騒ぐのは問題ないのでしょうか。
最も重要なことは、場所を問わず、公共の場でマナーを守ることをしっかり教えるという部分にあり、神保町付近の飲食店を利用禁止にすることで解決させるのは少し違う気がします。
吉本興業NSCのパワハラ条項②:養成所の生徒は先輩芸人のSNSフォロー禁止
これも東京吉本のNSC担当社員によって、養成所生徒へ警告された謎のパワハラルールです。
同社員によれば、「お前らごときの新人が大先輩のツイッターを勝手にフォローするのは失礼だ」とのこと。
この時に例に出したのはダウンタウンなどの大物芸人ですが、無名の養成所生徒が著名な先輩のツイートをチェックするのはどうやら「失礼」に当たるそうです。
吉本興業NSCのパワハラ条項③:養成所の新人芸人が着替えるのは階段の踊り場
ずさんな管理体制を象徴するようなパワハラルールです。
まず、神保町にあるNSC養成所がそこまで大きな建物ではなく、毎年何百人と入学してくる新人芸人を世話するためのスペースや施設、ロッカーなどはありません。
入学時に生徒1人につき40万円を先払いさせている割に、着替える場所すら与えないのが吉本興業です。
しかし、養成所の生徒は日々のプログラムに応じて、私服ではなく、動きやすい格好のラフな服装に着替える必要があり、養成所の施設内は外用の土足ではなく、室内履きを履かなければなりません。
にも関わらず、200〜300人、もしくはそれ以上のスクール生が着替えられるような場所など用意されず、生徒は階段の踊り場でぎゅうぎゅうの状態で着替えさせられます。
その中には、女性も居ました。
また、ただでさえ狭いのに、バッグや荷物を階段の中央スペースまで置いてしまうと、先輩が通りづらくなるという理由で、怒鳴られます。
まるで刑務所ですね。
吉本興業NSCのパワハラ条項④:養成所を卒業した生徒は後輩を怒鳴るよう教育される
ラストは吉本興業のパワハラ体質を最も物語る謎の社風ルールです。
これは正式にNSCの条項に記載されているようなものではありませんが、NSCで1年間を過ごし、晴れて吉本興業所属芸人へと昇格したタレントの卵は、新たに春から入学してくるNSC養成所の新人生徒の教育係りとなり、怒号や罵声を新人に浴びせるというのが暗黙のルールとなっています。
はい、わざと大声で怒鳴り散らし、新人を威嚇します。
優しい言葉で指導したり、「気にしなくて良いよ」などと新人を気遣うのは逆にタブーで、芸能界の縦社会を教育するためにワザとマジギレした様子で怒鳴りつけるという教育方針のようです。
NSCに入学してきた新人芸人はまずはじめにこの“怒鳴りの文化”にドン引きしますが、1年間我慢して卒業すると、それまで怒鳴っていた先輩芸人が急に優しくなることに、第2の驚きを覚えます。
謎の社風、不可解な条項ルールではありますが、これでパワハラにある程度耐えられる免疫を養うということでしょうか。
吉本興業の特殊なやり方と言ってしまえばそれまでですが、今後はコンプライアンスの遵守などもあるため、なるべくこうした体質は改める必要がありそうですね。